【ブログ】もう一緒に住めない、っていうけど その6

認知症を取り巻く、ぼくが、えらいなあ、と思った話。

やっと、母娘ばらばらに生活するようになった。


ぼくは、週一回、その病院に通う。
もともとの母娘の住む団地は、都内にあって、その病院を神奈川県にある。
結構、遠い。
あんなに、母親のことを嫌っていた娘は、時間があれば、毎日、通うんですよ。病院に。これが。
当然、ぼくも、毎週同じ日にその娘とあう。

その病院には、中庭があるんです。
晴れた日は、なかなかいい場所。
ぼくも時間がある時には庭にいく。
ジュースの自動販売機がある。
そばにベンチがある。
そのベンチに座りながら、缶コーヒのむ。
だいたい、そういうところって、同じ人がたむろする。
ぼくのお友達のひとり。
60歳くらいかなあ、統合失調症で入院している女性がいる。
構音障害(うまいこと口が動かせない)がある。
うまくスムーズにしゃべることができない。
でも、いつも、顔をくしゃくしゃにして、満面の笑み。
この人は、ぼくの師だなあ、と。
ぼくを中庭で見つけると、すぐに、
大きな声で、いつもその人から、あいさつ。
「こぉーんにちわーあー!」
いつも、心が安定している。

でね、母親は、その人と同じ病棟で寝泊まりしている。
母親は、足腰が弱くなって、もう、一人では歩けなくなっていた。

母親が入院してから、何日も経った。
その間、ぼくはその病院に外勤にいく。
その人は自動販売機のそばの椅子にはいない。
母親を車いすにのせて、中庭を散歩。

あの満面の笑みの女性が車いすをおす。
母親は、長年の認知症のために、認知機能が下がって
言葉はでるけれど、
もう、うまく会話はできない。
庭の向こうで、なにを話し合っているのかは、聞こえない。
でも、その女性に母親もそれにつられて、無邪気に笑っている。


一旦、休憩。

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