2025年1月29日(水)山中しのぶさんのピアサポートがありました。
「東京は寒いきね。ホッカイロ貼ってきた」
と笑って話す山中さん。この日も元気一杯。講演会やら、ご自身のデイサービスのお仕事やらで、多分ものすごく忙しいのに、力強く笑顔を絶やしませんでした。
会えて嬉しい!!手品、またやりう?今日は何で楽しませてくれるん?

上の写真は、参加された方がピアサポートで披露してくださった手品の様子です。
(緑色の紐をポケットから出して、山中さんのペットボトルに巻きつけて)「(山中さんに)上と下をしっかり持っててね。みんなこう引っ張りたがるんですよ。でも引っ張ったらだめなんです」と説明がありました。
するとスッと手を入れ替えて前に押し出し緑の紐がペットボトルを抜けた!「あれ?どうなってるん?」山中さんの声に人が集まり、ちょっとしたマジックショーに。
家族会議しないとね
笑いが絶えない会話。最後に、山中さんがブルドックを飼っている話から「今度は犬飼いたいな」とご本人から一言。すぐに「家族会議しないとね」といったのは山中さん。
本当に何気ない一言でしたが、そばで話を聞いていた専門職の方から
「この言葉。私には言えないなあ。せっかくご本人の希望が出てきたのだから、そうですね、とかいって流してしまいそう。でも本当に飼うのなら家族でよく相談することが大切ですよね。ピアだからこそ、大切なことをきちん伝えることができるんですね」と。
なるほど、小さな一言は、目の前のその人の現実がわかる、現実を一緒に生きていこうとするピアだから出てきた言葉なんですね。
「一度は、おれも腐ってた」
93歳の男性の声です。30分のピアサポートの最後にフッと出た言葉。山中さんが自分の診断時の話を少ししたところで、男性は自分の話を始めました。認知症になったこと、若い頃からの糖尿病のこと、今の体調のこと、今までやってきた仕事や妻には苦労をかけたことや、大変な思いをしながら満州から引き上げてきたこと、失明しかかったことなど、次々に語ってくださいました。「死ぬ思いを何度も何度もしてきたから、今は幸せ」といい、こんな話は面白くないよな、といって話を止めました。それに対して、山中さんは「たのしい」とにっこり。
その直後、「一度は、おれも腐ってた」と小さな声が漏れました。
この言葉を聞き山中さんは何かを感じたのか、先ほどとは声のトーンが一変しました。そして・・・
「人生は一度限りやき、腐ったらダメ!」
と一言。少しの間のあと
男性は「・・・がんばろうね。僕の3倍生きてね」といって笑い、山中さんも「えー!!3倍って、300歳か!」と最初の調子に戻りました。
ピアサポート後、山中さんは男性のこの言葉が診断前のことだと感じたと言いました。
詳しくは尋ねていないので、いつ、どんなことに腐っていたのはかわかりませんが山中さんにとっては、それはどうでもいいことだったのかもしれません。ただそこに反応して自分も感じた大切なことを伝えたように見えました。
自分の半分の年齢の山中さんに、「人生は一度限り、腐ったらダメ!」と言われて「がんばろうね」と返す会話はピアだからこそ、起こること。そして大切な一言が出るまで、またそれを逃さない山中さんのピアサポートに高い精神性を感じました。
山中さん、お忙しい中ありがとうございました。
ピアだから話せること、ピアでなければ言えないことを目の前にして、この活動の意味を考えています。
今後も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
のぞみメモリークリニックスタッフ一同

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