認知症とMCI(軽度認知障害)の人の数(推計値)

認知症とMCI(軽度認知障害)の人の数(推計値)免責事項
上記のアプリでは、コーディング上の都合により、符号が一致していない場合があります。データの引用が必ずしも一致しないことがありますので、ご了承ください。あくまで規模を感じていただくためのものです。順次、修正を行っていく予定ですが、アプリの利用に際してはご注意ください。

推定値の算定について:


これらのグラフには2015 年から2045 年にかけての認知症の人とMCI の人の人数の【推計値】を示したもので、実測値ではありません。ここで示される「推定される認知症などの人数」とは、その地域の男女別年齢階級別の推計人数(A)にそれに対応する男女別年齢階級別の有病率(B)を掛け合わせて合計したものです。


推計人数(A)ですが、『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)URL(1)』がもととなっています(福島県の市区町村データはありませんので表示されません)。有病率は研究調査に従ったものが利用されています。詳細はファイル(「病・診・介護の連携による認知症ケアネットワーク構築に関する研究事業」分担研究)に示した通りです。いくつか世界では5 歳刻みの男女別有病率が調べられていますが、MCI を含むものは日本の調査結果(朝田ら文献1)しかなく、それを参照しています。認知症に関する年齢階級別有病率は先の報告書にあるように単純なロジット関数の当てはまりがよいものでした。またMCI は、DSM-5 という診断基準において両者は、MCI から認知症へと連続した交わりのない排他的な概念のように定義してあるために、これを利用しています。日本の調査結果に対して、グラフの視認上そこそこの当てはまりの良さを示しています。


1) https://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/t-page.asp
2) 朝田 隆: 都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応. 厚生
労働科学 研究費補助金 (認知症対策総合研究事業) 平成23 年度〜平成24 年度総合研
究報告書, (2013).

作成に際して:


本プログラムはreact,NEXT.js,d3.js を使い、hosting にvercel を利用しています。作っている当人が素人でマニュアルやcoursera で授業を受けながら、無計画につくってしまっています。Next.js ではレンダリング前に仮想DOM を読みに行ったりするようなレンダリング方法などが用意されていたり、そもそもreact でmemo 化やuseEffect での依存変数を限定しながらレンダリング回数を減らしたり、あるいはcsv の逐次読取りからデータベース登録して読み込ませるなどすれば速度はかなり改善できると思います。現時点では安易で稚拙なコードですみません。とはいえ診療もありまとまった時間が取れず、反面こういった統計は世の中にとっては必要だろうと考え、とりあえずのものでup しています。遅い、使いづらい、についてはお許しください。
いま人数と有病率(65 歳以上と85 歳以上)の三つの指標しか出していません。また認知症とMCI とをまとめた数値しか出していません。

その他の指標の提示についてご要望があれば、即時対応はできませんが、前向きに対処しようかと思います。あとあとを考え、CI/CD 的なものを夢想し、しかしテスト抜きでバージョン管理システムとリンクさせています。コーディングやファイル管理のマネージメント方法についてお力添えいただける方がいればありがたいです。順次時間があるときに改変していきたいと思います。

物語:


「ふつうの認知症」の世間とのギャップ

当院にてアルツハイマー型認知症と診断した山口としこさん(仮名、85 歳)がこういうのです。

「先生、わたしってふつうですか?」

僕は、
「そうですね、ふつうです。」
といいました。

すると、山口さんは
「でも、認知症でしょ」

僕は、
「そうですね」

診察室の空気は心なしか悪くなっていきます。


たまたま国の事業で、杏林大学の神崎先生を班長に数年前に認知症の統計を計算したことがあります。ぼくの頭の中に残っていた印象は、85 歳以上の(認知症及び軽度認知障害の)有病率は低く見積もってもほぼ地域差はなく、7 割、というものです。85 歳にもなれば、認知症である方がふつうではないか、というものです。たとえば、のぞみメモリークリニックがある三鷹市を見てください。


ここでの山口さんとの対話から、ぼくは世間では85 歳すぎても、90 歳過ぎても、まさか自分は認知症にはならないだろうという期待があるのではないか、とおもったのです。認知症ではないほうがふつうなのではないか、というものです。たしかに「ふつう」とは、人数の多いほう事象をさすのではなくて、その人の「ふつう」の認識の在り方次第ですね。逆にその人の「ふつう」の認識の在り方を知ることで、たとえばその人やその人を取り巻く人々の、生活上必要とする「ふつう」の基準を知ることができます。認知症においてはとりわけ、この世間の「ふつう」と「現実の多いほうの事象」とのギャップが大きいのではないか、と思うのです。


現実の普通は、85 歳にもなれば、それ以上の人々の(認知症及び軽度認知障害の)有病率は低く見積もっても(この理由は別途かきますが)7 割程度です。
世間ではこの数値の高さは信じてもらえないでしょうね。
来る我々の未来におこることで、いまから推定できることは、まさに明日は我が身を感じれることでもあるし、これからの生き方を決めていくことにもつながると信じ、このたび日本の地域ごとの(あくまで推計ですが)認知症並びにMCI の推定数についてアプリとして掲載しました。ぜひともご活用ください。

抗認知症薬の薬物動態アプリの解説

認知症の薬で日本の認可承認されているものは4種類あります。商品名でレミニール・リバスタッチパッチ(あるいはイクセロンパッチ)・アリセプト・メマリーです。副作用がでやすくしばしばそのために中止を余儀なくされます。3つの薬剤(レミニール、リバスタッチパッチ(あるいはイクセロンパッチ)、アリセプト)副作用のうちで消化管に対する副作用についても多く報告されています。このうちアリセプト、メマリーは体内に残りやすい(生物学的半減期が長い)とされています。逆に体にたまりやすい性質を利用して飲み方を工夫すると血液中の薬の濃度を調整することができます。(ただし薬を飲んでおられる方は決して自己判断はしないで必ず主治医と相談してください

その概要について示したものが、ここに示したFigure A・B・C(pdfへ)です。どうやって副作用を回避していくのかを実感してもらうために薬の動態のアプリを作成しました。

アリセプト副作用_A
アリセプト副作用_B
アリセプト副作用_C

薬学・医学における1コンパートメントモデルと呼ばれるもので計算しました。計算の原理は、体の血液を一つの箱にして消化管から薬が血液に入り(吸収)逆に薬が体の血液から出される(排泄)ことによる血液内における薬の濃度の時間的変化を最も単純な微分方程式で表現したものです。簡単な式なので解析的に解けます。それを当てはめ計算したものです。
飲みたいのに副作用のせいで諦めていた方が少しでも諦めないで済むことを願って作りました。しばしばさまざまな言説や誤解が飛び交いがちな薬の話。効果や副作用については別途詳しくブログなどで説明していきたいともいます。その過程でこのアプリの使い方についてもお知らせしたいと思います。
単純な計算結果なのですが、誤りなどに気づいた際にはよろしくご指摘いただけるとありがたく存じます。
よろしくご活用ください。

ファイル集(ダウンロードできます)

PDFファイル「病・診・介護の連携による認知症ケアネットワーク構築に関する研究事業」分担研究

PDFファイル 「抗認知症薬の薬物動態概要 」Figure A・B・C

概要_下画像

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