
レビー小体型認知症の人に、どのように声をかけたら、少しでも前向きに認知症の本人と暮らしていけるだろうか。
例えば、幻視や妄想は病気の特徴で、家族の驚きや困惑が生じることもごく自然なことですよね。
「本人の幻視や妄想の訴えに戸惑うのは当然です。驚く自分を責める必要はありません。症状の一部として受け止めてください」と言いましょうか。
幻視や妄想を否定したりせず、本人の体験を受け止めようとする姿勢が本人の安心につながりますので、
「“そんなことはない”と言ってしまうより、“怖かったね”と気持ちを受け止めることができたらいいなと思います。本人は安心できるのではないでしょうか」とか。
このタイプの認知症は症状が変動しますが、症状が落ち着いている時間もあります。そうした時間や本人の笑顔を共有することは介護者の希望につながりますので、「幻視のない穏やかな時間や、笑顔が見られる瞬間を大切にしてください。それが確かな介護の支えになります」と私は言いたいです。
繁田雅弘
