聞いてみようよ、話してみようよ

#1-聞いてみよう、話してみよう

例えば認知症になると、こんな変化が観察されます。家の中で迷う。ドアの蝶番側で開けようとする。夜間に不安げに声を出す。他者に対する興味の低下。攻撃性の変化(増加または消失)。人との触れ合いを嫌がる。昼間の睡眠増加、夜間の覚醒・徘徊・声を出す。トイレの場所がわからなくなる。反応が鈍くなる。同じ場所をぐるぐる歩く。

実はこれ、認知症の猫の研究です。

正しくは、高齢猫における認知機能不全症候群。:Feline Cognitive Dysfunction Syndrome, FCDSと呼ぶのだそうです。

認知症の人が、怒りっぽくなったり、興奮したり、徘徊したりすると情緒を安定させるための内服薬を出したり、病院によってはベッドに縛りつけたりする。本人の弁明や訴えをちゃんと聞かずに。
それって、やっていることは猫と同じじゃないの。
私たちと同じ人間なんだから、ちょっとは話を聞いたらって思う。

繁田雅弘