#14 ひみつのアッコちゃん

#14 ひみつの
アッコちゃん


親子で受診される方を見ていると、
顔が似ていたり性格が似ていたりとそっくりで、
つい観察してしまう。
おしゃべりな母の子は、子もおしゃべり、
心配性の子の母は、もっと心配性。
笑うと目が細くなる父のとなりで笑う息子の目も
糸のよう。

「母を見ていて、
自分もいずれそうなるのかと思うと不安です」
そうおっしゃる娘さん。
そんな娘に、
「だからこそ今、お母さんと向き合うことが
将来の自分のためでもあるんですよ」
と先生は言う。

他者は自分の写し鏡とよく言われている。
これだけ身近に未来の自分がいるのだから、
未来を知るには親をじっと観察するのが良いのではないか。
身近にいない場合は、
「こんな時お父さんだったらこうしただろう」とか
「お母さんだったらこう思っていたかもしれない」と
想像する。
へたな未来予測より真実性がある気がする。

コンパクトに呪文を唱えて手っ取り早く変身できたら
気持ちが理解できるのだけど、
今のところコンパクトもないし魔法少女もいないから、
困った時は親をじっくり観察する。
そこには未来の自分が潜んでいるかもしれません。

冨田しのぶ

Shinobu Tomita

のぞみメモリークリニック医療事務スタッフ/映像クリエーター

映像クリエーターとして企画、撮影、編集を手掛ける。動画広告、e-Learningコンテンツ、映画予告編など。
介護ヘルパーを経て、現在はのぞみメモリークリニックにて医療事務スタッフとして従事。
また、2021年に三鷹市地域福祉ファシリテーター養成講座を受講。その後、地域福祉についての情報を発信する情報メディア「とみぞうさんと地域福祉未来研究所」立ち上げ。メールマガジンやYouTube、Instagramで地域福祉の未来につながるような情報を発信。
メールマガジンに掲載したインタビューをまとめた冊子。
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