HDS-RとMMSE(簡易な検査)

  • HDS-R

HDS-Rは、改訂長谷川式簡易知能評価スケールのことで、長谷川和夫氏によって作成された簡易的な知能検査です。主に認知症患者のスクリーニングのために用いられます。日本においては、MMSEと並んでよく用いられ年齢、日時の見当識、場所の見当識、3つの言葉の記銘、計算、数字の逆唱などの9つの問題から構成されています。5~10分間で簡単に実施できることがその特徴です。

言語性知能検査のため、失語症・難聴などがある場合は検査が難しくなります。医師やスタッフにお申し出ください。

  • MMSE

MMSEは、Mini Mental State Examinationを略したもので認知症の診断用に米国で1975年、フォルスタインらが開発した質問セットです。30点満点の11の質問からなり、見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などをカバーします。世界で最も広く流布している認知症の検査でしたが、2006年に杉下守弘先生によって日本語版が作成されました。長谷川式認知症スケールと並んで、現在日本でも広く活用されている認知症のスクリーニング検査です。

うつ病を評価する検査です

  • CES-D

(うつ病自己評価尺度)(The Centerfor Epidemiologic Studies Depression Scale)は、一般人におけるうつ病の発見を目的として、米国国立精神保健研究所(NIMH)により開発されました。世界中で普及しているうつ病の自己評価尺度です。質問項目は20問、実施時間は10~15分です。

薬の効果を評価する神経心理検査です

  • ADAS-Jcog.


1983年Richard Mohs氏らによって開発された記憶を中心とする認知機能検査であるADAS-cog(Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale)の日本語版です。アルツハイマー型認知症に対する認知機能の評価をおもな目的とし、認知機能の状態を測る代表的な検査であり、薬効評価可能な神経心理検査として知られています。また、抗認知症薬の治験においても使用される世界的に信頼のある認知機能の検査です。継続的に複数回実施し、得点の変化によって認知機能の変化を評価するものです。

複雑検査

  • WMS-R ウエクスラー記憶検査(複雑な検査)

国際的によく使用されているウエクスラー式の記憶検査です。短期記憶と長期記憶、言語性記憶と非言語性記憶、即時記憶と遅延記憶等、記憶が持つさまざまな側面を総合的に測定します。言語を使った問題と図形を使った問題で構成され、13の下位検査があります。「一般的記憶」と「注意/集中力」の2つの主要な指標、および「一般的記憶」を細分化した「言語性記憶」と「視覚性記憶」の指標が得られます。また、「遅延再生」指標も求めることができます。